「自分モード」への切り替えスイッチ『直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN』

「自分モード」への切り替えスイッチ『直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN』

「根拠のない妄想」を手なずけ、強烈なインパクトを生み出す、知的創造の新技法とは?


今回紹介する書籍は、佐宗 邦威さんの『直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN』です。


いろいろな数ある代表的な思考法を比較し、それぞれの特徴、メリット・デメリットを解説しています。

「妄想→知覚→組替→表現」の4段階サイクルを回すだけで、プレゼン・意思決定・アイデア・説明…すべてがうまく回りだす!



デザイナーだけでなく、現代を生きる私たちに必要な考え方を教えてくれる1冊です。

 

 

 

 

目次

 

  1. デザイン志向の3つのシンプルな本質

  2. 人が「自分らしい思考」を喪失する4つの原因

  3. センス・メイキングの3プロセス

  4. 「箇条書き」はアイデアを固定してしまう

 

 

 

 

 

デザイン志向の3つのシンプルな本質


デザイン思考の核となっている一定の製作物を生み出すときに行っている思考プロセスについて、デザイン思考を提唱したIDEOのティム・ブラウンはこう定義しています。

「デザイナーのツールキットによって人々のニーズ、テクノロジーの可能性、そして、ビジネスの成功という3つを統合する人間中心イノベーションに対するアプローチ


少しわかりにくいですが、本書では、具体的に3つのエッセンスで紹介してくれています。

① 手を動かして考える——プロトタイピング
② 五感を活用して統合する——両脳思考
③ 生活者の課題をみんなで解決する——人間中心共創



デザイン思考の本質① 手を動かして考える


小さい子どもの粘土遊びを見ていると、彼らは明確なプランなどないまま手を動かし、そのプロセスのなかでアウトプットに修正を加えています。端的に言えば、彼らは「手で考えている」のです。

Build to Think(考えるためにつくる)


これはデザイン思考のモットーの1つであり、芸術家やクラフトマンの世界で経験則的に磨きあげられてきた方法論です。


ほかには、「構築主義」なんて呼ばれることもあります。まず不完全なアウトプットを行い、それを起点に対話・内省を促していくという手順です。こうした行為を「プロトタイピング」と言います。



デザイン思考の本質② 五感を活用して統合する

手を動かしながらプロトタイプをつくったら、一定の「言葉」に落とし込む作業を忘れてはいけません。


VAKモデルという考え方がいいヒントになります。これはVisual(視覚)型、Auditory(聴覚)型、Kinesthetic(体感覚)型、という3つの優先的使うかによって異なります。

僕はこのモデルを研究するなかで、とくに新しいものを生むためには、「何か世の中の〝あたりまえ〟に違和感を感じる」とか、「なんとなく気になる」いう直感的な体感覚(Kinestheticモード) からはじめ、自分なりのアイデアを具体的なイメージとして描く視覚(Visualモード) に移り、最後にそれに呼び名をつける(Auditoryモード) という順序で考えることが自然ではないか、という仮説を持っている。




デザイン思考の本質③ 生活者の課題をみんなで解決する

3つめのポイントが、「人間中心の共創プロセス」という特徴です。デザイン思考は、チーム・組織は共通して抱えている同じ1つの課題を解決していくのに、非常に心強いアプローチとなります。


SNSやクラウドツールも普及し、発展したことで、だれとでも協同しやすい環境が整ってきています。そう考えると、デザイン思考は現代向きの発想法かもしれません。

 

 

 

人が「自分らしい思考」を喪失する4つの原因


私たちが「自分モード」で考えられなくなる4つの典型的な原因があります。

① 内発的動機が足りない ——妄想(Drive)
② インプットの幅が狭い ——知覚(Input)
③ 独自性が足りない ——組替(Jump)
④ アウトプットが足りない ——表現(Output)


それでは一つずつ見ていきましょう。


①内発的動機が足りない

日々の仕事や生活は、「やらなければいけないから、やっている」ことばかりで、「やりたくて、やっていること」は少なく思います。そんな状況では、「自分モード」で考えたくなるようなモチベーション、動機は生まれてこないでしょう。



②インプットの幅が狭い

知りたい情報だけ入手することはさほど難しいことではありません。しかし、そうしたフィルタを通して届くのは「あなたと違う誰か」が欲した情報でしょう。



③独自性が足りない

似たような意見、言葉ばかりが世の中に溢れるようになってきています。インプットした情報にどのような加工を施すかについて、考えるタイミングを失っているように思います。



④アウトプットが足りない

情報のインプットだけならいくらでも増やせるでしょうが、アウトプットはなかなかそうはいかないものです。学びを他者に伝えたり、展示・発表したりする場が欠落しているのです。

 

 

 

センス・メイキングの3プロセス


周りで起こっている出来事をそのままに感じ取り、それに対して意味づけをするというのが、センス・メイキングです。


このセンスメイキングや知覚の力というのは、もともと赤ちゃんに頃から備わっているものなのです。


さらに能力を分解すると、知覚力は大きく3つのプロセスから成り立っていることがわかりました。

① 感知——ありのままに観る
② 解釈——インプットを自分なりのフレームにまとめる
③ 意味づけ——まとめあげた考えに意味を与える



できるかぎりの既存の解釈フレームを用いずに、五感全体を使ってものごとを「よく感じる」「ありのままに観る」トレーニングが必須です。


不透明な時代には「ありのままに感じ、意味をつくる力」が必要

 

 

 

「箇条書き」はアイデアを固定してしまう


何か新しいことを生み出そうと考えだそうというとき、僕たちはつい新たなアイデアづくり(再構築)のことばかりを考えがちです。


しかし、より価値の高いイノベーションを生み出すには、既存のアイデアに隠れている「当たり前」をしっかりと洗い出し、パーツ分けする方がいいでしょう。


まずは、そうした「分解」のプロセスにより多くに時間を割くようにしましょう。


常識をリストアップしておくことで、従来の「あたりまえ」を壊すための余地が見えてきます。視点をつなぎ合わせてみることで、これまでになかった切り口のアイデアが出やすくなります。


本書で提唱するのは、「あたりまえを覆す」ための3ステップの分解メソッドです。

①「あたりまえ」を洗い出す
②「あたりまえ」の違和感を探る
③「あたりまえ」の逆を考えてみる


最初のステップでは、まず特定のテーマについて、世の中であたりまえとされる「常識」を思いつくかぎり羅列します。ネットのキーワード検索を使ったり、可能であれば複数人でブレストを行うのもいいでしょう。


重要なのが、「組替が可能なかたちで」書き出すことだ。


アイデアを出すときによく、箇条書きやフローチャートに書く人が多いかと思いますが、これには致命的な欠陥があります。


書き出した要素の「順序」が固定されてしまい、「新結合」が起こりづらいのです。


大きなキャンバスに無造作に書いたり、付箋を適当に貼り付けたりすることで、組み合わせやすくなるでしょう。


そういった組み替えを前提としたメディアなりキャンバスを用意するようにしましょう。

 

 

 

 

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