「折れない心」をもつことができる3つの思考バランス
葛西紀明さんは、41歳で望んだソチオリンピックにて、初めて獲得した個人銀メダル、そして団体での銅メダル。
まさにレジェンドと呼ばれるにふさわしい活躍を見せてくれました。
しかし、それまでの人生は決して甘いものではありませんでした。20代での挫折をきっかけに、「メンタル面」の強化に本格的に取り組んだと言います。
だからこそ、40代になってもまだまだ現役のアスリート先取でいられるのです。そんなストレスを最大限減らす「折れない心」のつくり方を紹介します。
「折れない心」をつくる上で、鍵になるのが「3角形の法則」です。
❶ 脳を疲れさせない
❷ 笑顔と言葉で「プラス思考」を生み出す
❸「ワクワク感」を甦らせる
この3つをバランスよく鍛える必要があります。一つずつ詳しく見ていきましょう。
目次
脳を疲れさせない
ストレスというのは、その原因も含めて漠然としていることが多いものです。ストレスを減らすアプローチはいたってシンプルです。
「脳を疲れさせない」
「脳を休める」
疲れを感じれば、「体を休めよう」と思う人はたくさんいると思います。ですが、「脳を休めよう」と考える人は少ないのではないでしょうか?
例えば、休日は家でゴロゴロしていたのに、翌日になっても疲れが取れていない、なんてことがよくあるかと思います。
体を休めたことで休養した気になっていても、同時に脳も休めなければ疲れは取れないようです。逆に、体は動かしていても、脳をしっかりと休めさえすれば、おもしろいように疲れは吹き飛ぶと言います。
つまり、脳は体以上に疲れているのです。
40 代からのストレスを減らす第一歩は、とにかく仕事のことを考える時間を減らし、「脳を休ませる」こと だと私は思います。
葛西さんが、脳を休息させるためにやっている5つのことを紹介します。
❶日ごろから練習(仕事)をしすぎない
❷本番直前はとくに練習(仕事)をしすぎない
❸「競技(仕事)のことは一切考えない時間」をつくる
❹日常に中にも「楽しみ」を取り入れる
❺苦手な人とは付き合わない
本番直前まであれこれ考えていると、いざという時に脳が疲れてしまい、本番で集中力が発揮できません。
大事な場面こそ、早めに準備を済ませ、時間の許すかぎり「脳を休ませる」環境を整える ようにしてください。
「楽しい」という感情があるだけでも、脳の疲れ方に差が出るかもしれないようです。楽しめる雰囲気づくりだけでも脳の疲れは緩和されるはずです。
人間関係での不満は、かなり脳に「疲れ」を蓄積させます。
私は苦手な人はもちろん、初対面でも「合わなそう」と感じた人にはできるだけ近づかない ようにしています。観察力が鋭いせいか、そのあたりの自分の直感は正しいことが多いと感じています。
できるだけ楽しく過ごせる人と一緒にいることは、脳だけでなく心を疲れさせないためにも重要なことです。
「脳」を疲れさせないために5つのことをしよう。
工夫次第で「脳の休息」は増やせる!体の疲れもとれる!
笑顔と言葉で「プラス思考」を生み出す
次のステップは、意識的に「プラス思考」へと脳を変えていくことです。葛西さんが実践している、手っ取り早く「プラス思考」を手に入れる方法は2つあります。
❶笑顔を絶やさない
まずは「どんなときでも笑顔を心がける」ようにしましょう。「笑う門には福来たる」とはよくいったものです。
今の姿からは想像できませんが、葛西さんも昔は鉄仮面と呼ばれていたことがあるみたいです。
「プラス思考」「ポジティブ思考」への道は、「険しい表情をしている自分」に気づくことから始まるかもしれません。
❷一言でも多く「プラスの言葉」を使って、頭から「マイナス思考」を消す
日本には「言霊」という言葉があるように、発した言葉には魂が宿っています。
私がとくに気をつけているのは「ダメだ」「どうせ」「疲れた」という 3 つの言葉をなるべく使わない ことです。
この3つが口癖になっている人は気をつけてみましょう。
これからは、「ダメだ」「どうせ」「疲れた」と言いたくなったら、代わりに「大丈夫、できる」「なんとかなる」「がんばった」の言葉を使うようにしてみてはいかがでしょう。
もちろん自分にいうだけでなく、他人に対しても同じです。ですから、他者批判をする人とも距離を置いたほうがいいかもしれません。
笑顔と言葉を変えれば、「プラス思考」は生み出せる。
「3つの言い換え」で、マイナス言葉を極力、減らそう。
「ワクワク感」を蘇らせる
誰もが仕事を始めたときは、「ワクワク感」を持っていたはずです。しかし、日々の仕事や生活に追われる中で、いつまにか忘れてしまっている感情ではないでしょうか?
「折れない心」をつくるには、この「ワクワク感」を蘇らせることがとても重要です。2つポイントがあるので紹介します。
❶「原風景」を思い出す。
年齢を重ねるごとに、「義務」や「惰性」で仕事をしてしまう人は多いものです。これではマイナス面にばかり目がいってしまい、最初の頃に抱いていたはずの「ワクワク感」からはますます遠ざかってしまいます。
誰にでも、必ず仕事を始めた理由(原体験)があるはずです。当時を思い出すだけでも、「好き」「楽しい」というシンプルなかつ、プラスの原動力が湧いてくるのではないでしょうか。
❷「新しいこと」を始める
仕事で何か失敗しても「若いから」といった理由で済まされなくなるのが40台です。責任ばかりに目がいき、チャレンジすることを忘れてしまいがちです。そうなれば仕事も楽しくないでしょう。
葛西さんは、30歳になってフィンランドコーチから「新たなトレーニング方法」を取り入れたようです。それ以後、柔軟な思考で様々なトレーニングを試したんだとか。
このように「ワクワク感」を取り戻すためには、何か「新しいこと」を始めてみるのが手っ取り早い方法だと思います。
「新しいチャレンジ」は「新たな楽しみ」を生むだけでなく、「人と人との輪」も広げてくれます。
こう考えるだけでも、何か新しいことにチャレンジしようと「ワクワク」してくるのではないでしょうか。
「原風景」を思い出し、「新しいチャレンジ」をすることで、
何歳になっても「ワクワク感」は取り戻せる。
まとめ
40歳を超えてもなお、ソチオリンピックで2つのメダルが取れたのは、「3角形の法則」を見つけ、実践してきたからだと葛西さんは言います。
気持ちの持ち方ひとつで、人の心はプラスにもマイナスにもなるのです。心が折れそになる経験は誰にだってあるものです。
そんな時にこそ、今回紹介した「3角形の法則」を活用・実践してきてはいかがでしょうか?