「返品送料無料」の裏側を解き明かそう!
皆さんは、これまでにネット通販で、サイズ違いや色違いの洋服を試着するだけの目的で買い、気に入らなかった物を返送したことはありますか?
しかしながら、その返品したものがどこに行くかを詳しく知っている人は少ないと思います。僕も知りませんでした。
ある日、アパルナ・メータさんは、「その返品された物はどこに行くの?」と疑問に思ったようです。そこからこの講演がスタートします。
この記事は、アパルナ・メータさんによるTED「ネット通販で返品した物の行き先は?」の内容を感想・まとめたものになります。
あなたもひとごとではないはずですよ。
目次
返品されたものはどこへ行く?
返品されて洋服はどうなるのか知っていますか?
なんと、毎年返品された180万トンの洋服がゴミ処理場に行き着くというのです。桁が大きすぎてよくわからないですが、とんでもない数ですよね。
アパルナ・メータさんは、まるで米国の住人が全員、昨晩1回分の洗濯をして、今日になってその洗濯物をゴミ箱に放り込むようなもの、なんて表現しています。そう考えるとゾッとしますよね。この問題はどうにかしなければいけません。
トップクラスの小売業者向けの国際ソリューションディレクターとして働く、アパルナ・メータさんは、「全人類の中で私こそ この状況を防ぐ 手助けができるはずだ」と考え、解決策を模索していきます。
返品の代わりにできる仕組みを考えよう
米国では、2017年だけで返品によって企業が 3,510億ドルの売上損失を出していると言います。もちろんどの企業も、損失を減らそうと躍起になっているでしょう。
返品された商品を 再度ネット販売したり 提携している安売り業者や 清算人に売却したりします
これが見つからなければ、もしくは最終的にたどり着くのは、ゴミ処理場です。あなたもこのような事態を引き起こしている買物客のうちの一人であるかもしれません。自分の購買行動が地球にも損害を与えているのです。この事実を受け止め、何ができるか考えていきましょう。
そもそも、返品された商品はどうして小売業者に戻される必要があるのでしょうか?まずこんなことを考えました。
もし みんなにとって都合の良い 別の方法があったら?
もし誰かが何かを返品しようとする時 小売業者でなく それが欲しいと思っている次の買い手に 渡すことができたら?
もし返品の代わりに 私が「グリーン・ターン」と呼ぶ 仕組みを実施できたら?
「グリーン・ターン」というのは、アパルナ・メータさんが考えた仕組みです。これから詳しく見ていきましょう。
消費者はアプリを使って 商品の写真を撮り 品物を返送するのと同時に その状態を証明します 人工知能のシステムが 品物をその状態によって 未使用品と少し使った品に分け 適切な購入希望者に届けます 未使用の洋服は 自動的に次の買い手に届き 数回着用された洋服は値下げされ 再びネット販売されます 小売業者は特定商品の再販回数を 決めることができます 消費者はただ携帯端末に送られてくる コードを取得し それを最寄りの運送業者に持って行って 梱包や配送をしてもらうだけで その品物は最初の購入者から 次の購入者に届けられます ゴミ処理場には行きません
これを見ると、少し面倒だと感じてしまうかと思います。しかし、ポイントサービスやキャッシュバックなどがあればどうでしょう?
日本では、メルカリというサービスがとても人気ですね。いらなくなったものを捨てるのはなくて、誰かに売ってしまうと画期的なサービスでしょう。最終的にはゴミになるかもしれません。でも少しでも、衣服を含めたモノの寿命が伸びていれば、間違いなく地球に優しいですよね。
私たちにできること
「グリーン・ターン」は大変素晴らしいアイデアだと僕は思います。しかし、実現するのに時間がかかることでしょう。
今すぐにでも我々ができることを教えてくれています。
それはとても単純なことです。大人ひとりひとりが買物の仕方を少し変えればよいだけです。「本当にこの商品が必要なのか?」「本当にこの商品が欲しいのか?」購入する前に考えてみましょう。
安易に返品すべきではないのです。もちろん返品は無料でしょう。でもこれも本来有料にすべきかもしれません。
私たちが引き起こしてきた この環境問題は 何千年も先でなく 今現在起きている問題であり 地球上でのゴミ処理場の拡大を阻止するために 今すぐ 止めなければなりません
是非、お子さんや孫に美しい地球を残してあげるためにも、今一度考えてみてはいかがでしょう。