「プレゼンで日常が変わる、楽しくなる」伊藤穰一『「プレゼン」力』

「プレゼンで日常が変わる、楽しくなる」伊藤穰一『「プレゼン」力』

優れたプレゼンになる「伝える技術」とは!?


今回紹介する書籍は、『「プレゼン」力 ~未来を変える「伝える」技術~』です。本書は、山中伸弥さんと伊藤穰一さんの共著となっていて、日本を代表するふたりの「知の巨人」の対談も書かれています。


今回紹介するのは、日本人初のマセチューセッツ工科大学メディアラボ所長である、伊藤穰一さんが教える「優れたプレゼン」についてです。


ここでは、7つのプレゼンテーションスキルを紹介します。

 

 

 

 

目次

 

  1. self us nowの3つの要素で構成せよ

  2. ポイントは慣れること。緊張感をコントロールする

  3. 伝えたいことをワンポイントに絞る

  4. 覚えた原稿の2割は忘れていい

  5. ウィーク・ワーズを消す

  6. 「間」が感情を伝える

  7. チャピタライジング、体の向きを変える

 

 

 

 

 

 

self us nowの3つの要素で構成せよ


ハーバード大学のケネディスクールにマーシャル・ガンツという先生がいます。彼はプレゼンテーションの専門家で、プレゼンを構成する重要な3つの要素、self us nowについて語っています。


self=自分
us=われわれ
now=今



プレゼンテーションでは、必ずまず「自分」について、なぜ「自分」の話をみんなが聞かなくてはいけないのかを話します。


自己紹介というのもありますが、何者であるか、また権威性は証明できるかなど、この辺りがみられていると思います。



次に、その話をされている内容が、なぜ「みんな=われわれ」と関係があるのかというところに持っていきます。


自分とは関係のない話だと思われては、それ以上話を聞いてもらえません。聴衆に関係のある話、もしくは密接した話であるように誘導しましょう。



そして最終的には、なぜ「今」行動に移さなくてはいけないかという3つの要素で構成されています。


危機感を煽るなどして、具体的なアクションを掲示しましょう。


self us now という3つの要素は、人々を引っ張り込んだり、新たに行動を起こさせたりするためのプレゼンテーションとしては、一番いいパターンだと彼は言います。

 

 

 

ポイントは慣れること。緊張感をコントロールする


人前で話をするとなれば、誰しも緊張するものです。


緊張しすぎて頭が真っ白になったり、思ったようなプレゼンテーションやスピーチができないというのは、多くの人が通る最初の段階です。


回数をこなし、多少慣れてくることで、落ち着いてしゃべれるようになるのです。そうなれば、プレゼンテーションも何倍もうまくできるようになるでしょう。


ポイントは「慣れる」ことなのです。



たくさん場数を踏むことができることが理想ではありますが、そんな機会はなかなかありません。そこで、自分のプレゼンをビデオに撮り、自分でも見直してみましょう。本番前の準備、練習の間にできることなので、とてもおすすめです。


そうすることで、精神的にもリラックスした状態で本番を迎えることができるようになるでしょう。


お手本になるプレゼンも、今やTEDがあります。インターネットにたくさんの動画が上がっているので、参考にしてみてください。

 

 

 

伝えたいことをワンポイントに絞る

 

プレゼンテーションのコーチから受けた指導の中で、たぶん一番重要だったことが、「説明したいことを1個に絞る」という点です。



TEDでプレゼンしたときも、同じようなことをTED側の関係者に言われたようです。複数あるプレゼンテーションテーマのうち、その回のプレゼンを何に絞るかという作業は、実際にやってみると難しいものです。


面白いストーリーだとしても、どうしても必要なもの以外は削っていきましょう。この作業は簡単ではないので、できれば自分以外の第三者やコーチからフィードバックがもらえると、とても効果的だと思います。


TEDトークの長さは13分以内ですが、その影響もあってか、アメリカのでの公演時間はどんどん短くなってきています。


13分間で、ワンポイントだけ伝えるというのが、たぶん「消費できる」いいバランスなのでしょう。聞く側にとっても、とても「食べやすい」サイズなのだろうと思うのです。

 

 

 

覚えた原稿の2割は忘れていい


スピーチする前には、しっかりと準備をしなければいけません。とはいえ、きっちり一言一句、原稿を覚えて話すだけではどこか不自然になってしまいます。


伊藤さんは、いったん、ほとんど原稿とおりに自然に話せるようにしてから、もう一回、そこから解放されてスピーチを原稿から変えていくと言います。


少し不思議なやり方に思うかもしれません。


なぜそうするかといえば、自然にスピーチが流れるようになったところで、20パーセントくらいアドリブに変えると、さらに自然な流れになるからなのです。



つまり、原稿の2割くらいは忘れても全然問題ないということなのです。何事もそうですが、ぜんぶ完璧にする必要はありません。


完璧にしようとすればするほど、ミスが出てしまうと、表情にも出てしまうものです。それが聞き手にも伝わってしまいます。


ですから、スピーチが自然に流れていくというのは、スピーチする側にも聞く側にとっても快適なことではないでしょうか。

 

 

 

ウィーク・ワーズを消す


日常会話でよく使う、「あのー」とか「んー」とかいう言葉を、英語ではウィーク・ワーズと言います。


つい無意識に使ってしまうこれらの言葉ですが、なるべく使わない方がいいでしょう。プレゼンテーションに貢献しないばかりか、メッセージを伝えるうえでの阻害要因になってしまいます。


伊藤さんも、最初にプレゼンコーチに「ウィーク・ワーズ」を消すように言われたようです。人間の無意識によるものですから、最初はとても難しいはずです。


そこで最も効果的な方法が、自分のスピーチをビデオにとってみてチェックすることです。

無駄な言葉を省くことは、自分のプレゼンに相手を引き込むために、とても効果的であり、ビジネスの現場でもとても役に立つテクニックです。



「ノイズ」が多いとそれだけ無駄があるということになります。それを削るだけでも洗練された内容のあるスピーチへと変わることでしょう。


ほかにも、このプレゼンスキルは日常のビジネスシーンでも、とても役に立つ顕著な例だと思います。

 

 

 

「間」が感情を伝える


プレゼンテーションの面白いスキルに「間」というものがあります。プレゼンをしているとついつい熱くなってしまってみんなを無視しては焼きスピードで進んでしまいがちです。


えてして、一方的にスピーカーがしゃべっているだけだと、聞き手はついていけなくなります。しかし、そこに「間」が存在することで、聞き手を話にグッと引き込むことができるのです。


つまり、人は、スピーチの途中に不意に入る沈黙に引き込まれるということなのです。



そして、沈黙で注目を集めた直後に「ポン」とメッセージを発信することで、とても効果的に伝えることが可能です。


Appleのスピーチはまさにこのテクニックがうまく活用されていて、とても引き込まれます。


「間」を入れることは、また、別の効果も生み出します。それが、プレゼンする側と聞き手との一体感・存在感をもたらすことです。ちなみに英語では「プレゼンス」という言葉で表現したりします。


それは「今、ここにみんなでいるよね」という感覚。伝える側と受け取る側、両者の感情の共有です。この共感が、プレゼンテーションをスムーズにさせるのです。

 

 

 

チャピタライジング、体の向きを変える


スピーチするのは、何も口で話すだけではありません。身振り手振りを使って、プレゼンのストーリーに合わせて動くことも重要です。


その動きの代表的なテクニックに、チャプター分け、「チャピタライジング」というものがあります。


簡潔に言うと、ある話題から次の話題へ切り替えるときに使うテクニックのことです。


たとえば、今まで右を向いてスピーチしていた人が、次に話題に移るときに体の向きを変えるとします。すると、この動きを見た聴衆は、プレゼンテーションが次に話題に変わったことを視覚的に理解するのです。


話の内容が頭に入りやすくなる効果が期待できます。落語家さんや、一人で2役や3役とする場合にも、この手法が使われいるかと思います。


スピーチの最初はどこに立ち、その後どのように動くか。そして話題を切り替えるときには、体の向きや、立つ位置を変える。そうした細かな動きが、相手に情報を伝えるうえでは、とても重要になるのです。

 

 

 

まとめ


①self us now

自分、われわれ、今——
この3つの要素で構成しよう



②慣れる

場数を踏む、慣れるため、自分のプレゼンを
ビデオに撮ってチェックしよう



③ワンポイントに絞る

テーマは、欲ばってあれこれ入れ込まない
本当に必要なもの以外は削り、ひとつに絞ること



④2割は忘れていい

完璧を目指さなくともよい
自然にスピーチが流れることが一番大事なポイント



⑤ウィーク・ワーズ

無駄な言葉を徹底的に減らそう
ビデオに撮って、自分のくせや
ウィーク・ワーズをチェックしよう



⑥「間」

一本調子では相手にメッセージが伝わらない
不意に入る沈黙、「間」を活かそう



⑦チャピタライジング

ストーリーに合わせて
立つ位置、体の向きを変えてみよう

 

 

 

 

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