ハイパーメディアクリエイター高城剛が記した健康と平和に関する旅日記
沢尻エリカさんの元夫でもある高城剛さん。海外ノマドワーカーとして、世界中を飛び回って旅をしています。そんな一見ぶっ飛んでいるような高城さんらしさ満載の書籍を紹介します。
それが、『多動日記(一)「健康と平和」: -欧州編- (電子版 未来文庫)』です。
なんと、大手出版社から「タイトルも中身も差別的である」という理由から出版を断られた一冊でもあるようです。
いったい、なぜ、高城剛は旅を続けるのか。
自由は、どこにあるのか。
地球を100周した著者がはじめて語る、21世紀型旅行スタイル。になっています。
決してただの旅行記ではありません。
また、『多動力』といえば、堀江貴文さんが有名ですが、はじめに「多動」という言葉を作ったのは、著者のはずです。そんな著者が語る多動とは?が知れるのが魅力でもあります。
目次
ビックマック指数
世界中を旅する高城剛さんにとっては、その街にマクドナルドがあるかどうかは、経済や安全指標の一つになると言います。
英国エコノミスト誌が世界各国の本当の物価を計るために作った「ビッグマック指数」なるものがあって、それは、世界どの国だろうが、素材や地価、人件費を考慮してビッグマックの価格を決めるのだから、各国のビッグマック価格を調べれば、その国の本当の経済状態がわかる
まさか、国の経済状態をマクドナルドのビッグマックで判断するなんて、驚きですよね。それほどビッグマックには影響力があるみたいです。
強度なインフレと財政破綻に直面するアルゼンチン政府は、同国のマクドナルドに圧力をかけ、ビッグマックの値段だけを安くさせたのだとか。
実際に高城さんが、アルゼンチンを訪れた時も、ビッグマックはセット価格によって単価が隠されていて、物価と比べて安く感じたそうです。
中には、マクドナルドがない都市もあるようで、現代資本主義社会の「圏外」であると評している。
しかしながら、高城さんは、「ビッグマック指数」を気にかけているわけではないようです。
なんとマクドナルドができてしまった観光地は、年々つまらなくなるのだと言います。例を出すと、石垣島がそう見たいです。まるで別の島に変貌してしまったようです。
ちなみにオーストラリアのバイロンベイは、地方条例でファストフードの出店を禁止しているようです。理由は以下の通りでしょう。
そのような他の街と違う場所なので観光客が集まり、なにもない人口6000人の街に100万人を超える観光客の集客に成功している。観光戦略を考える際に、なにか目玉を作ろうとする人が多いが、足し算より引き算で考えたほうがうまく行く好例だろう。
さらにマクドナルドがあるかどうかは、アメリカとの距離感を表しているようです。キューバにはないし、ウクライナ情勢でもめているロシアも事実上の営業停止のようです。
ただもちろん良い点もあります。マクドナルドは、治安の悪い国にはないようです。ですから、安全な旅を送りたいのであれば、マクドナルドが多く出店している国を探せば良いですね。
大切なのは「やらなかったこと」にある
この世で人をダメにするものとして、ホテルの朝食ビュッフェを挙げています。
今や世界中の多くのホテルで、朝食ビュッフェがありますよね。もはやあって当然のようにサービスとして存在しています。
これについて高城さんは、実に厄介なサービスだと吐きつけています。
朝食ビュッフェの世界に一度入ってしまえば、あとは欲望の赴くままに食べ尽くすことが望まれる俗悪極まりないシステムで、毎朝のように試練を迎える。高級ホテルでは世界各国の料理が展開され、この欲望に打ち勝つ自信は、僕とてない。まるで地獄めぐりの様相だ。こんな食生活を続けていたら、必ず病気になってしまうだろう。
この意見は高城剛さんならではかもしれません。大抵の人は、しょっちゅう旅行に行ったり、ホテルに滞在しませんからね。でも確かに、健康にはよくないですね。
高城さんはというと、朝食ビュッフェを社会悪だと評し、さらに朝食すらも卒業したそうです。
それもそのはず、今から200年ほど前の人類は、一日2食の生活だったのです。これが3食になったのは、かの有名な発明王エジソンがトースターを開発したことにより、「ブレックファースト」の文化が寝ついたのだそう。
世紀の発明王のエジソンですが、が実は「肥満の父」かもしれない。
200年前の江戸時代の食事は、1日に2食で午前8時前後と午後3時前後に食べていた。この食事法がいいのは、1日に2食だけ食べるということだけではなく、1日の3分の2の時間を食べないという点にある。人はどうしても「やったこと」に注目する。だが実際、大切なのは「やらなかったこと」にある。
今は1日3食どころか、3食に、2つの間食を加えたものが主流になっているではないでしょうか。おやつや夜食なんて、健康に良いはずがないですよね。
これも全部、TVや広告代理店に手のひらで踊らされているだけかもしれませんよ。あと徳をしているのは、食品業界や飲食だけです。
原点に帰って、自分の健康を見直した方が良いかもしれませんね。
高城剛の考える「多動」とは
高城さんも含めて、多動な人は現代のビジネスにおいて、成功している人が多いようです。マーケティング用語で「イノベーター(革新者)」と呼ばれる人がいますが、彼らも多動的な人間なようです。
多動な人間は、世界中で100人に3人の割合で存在するようです。
残念ながら現在、あらゆる理由で動きを封じ込められている多動な人たちに、あえて大声で言いたい。民主主義的世界で生きてはいけない3%の人々よ。多動およびその気がある仲間たちよ(きっと、ハーフ)。まだ、人生が何十年も続くなら、今の日々を改めたほうがいい。無理して頑張っても、民主主義的世界では、やがて生きていけなくなるから。なにより、自分がこわれる前に。
これを読んで、僕もハーフかもしれないと思いました。
そんな高城さんも、多動を克服しようと試みたことがあったそうです。ジョギングや瞑想、恋愛も試したようです。恋愛ならできるかもしれないと本人もおまったそうですが、結果は違いました。
寂しいから会いたいと言われれば、地球の裏側から飛んで帰るし、どこかに連れてって、と言われれば、どこへでもどれだけでも連れていく。恋愛は、多動を解決しない。この時代の愛は、ポータビリティ可能なのだ。
さらにこんな面白い話も日記に書かれています。
「アリとキリギリス」という寓話を知っていますよね。キリギリスのように真夏に浮かれているだけでは、冬を越すことができない。でも本当にそうでしょうか?もちろん昆虫の世界ではそうかもしれません。
しかし、現代の人間であれば、冬が来た時に南国へ向かえば、問題は解決できてしまいます。
もしかしたらキリギリスは、現代社会でいうDJなのかもしれない。その上、キリギリスは儲けた金で働き者のアリに投資する。この構造こそが、「 21 世紀のアリとキリギリス」だと僕は考える。
同じ場所にいるよりも、移動して違う場所に移るものにこそ、チャンスがある時代だと言います。
同じことばかりやっていてもうダメになってきていますよね。
かつての道徳、常識は正しいとは限りません。それほど、我々の環境は変化しています。柔軟に変化しつつ、激動の社会を生き抜きましょう。