人生は選択の連続である。
今回紹介する書籍は、メンタリストDaiGoさんの著書『後悔しない超選択術』です。誰もが「あの時こうしていれば……」と一度は後悔したことがあるはずです。
100%正しい選択というのは存在しませんが、後悔しない選択というのは本書を読めば可能になります。
人は1日に約70回、人生を左右する選択をしていると言われています。
人生は選択の連続である。
選択しなければ行動できず、
行動を起こさなければ、
何も残らない。
極端にいうと、選択が人生を決めると言ってもいいでしょう。
本書のはじめにで記載されているよくある誤解であり、重要な点について紹介しておきます。
①最高の選択ではなく、後悔しない選択を目指す
②「いい結果=いい選択の結果」は思い込み。過去のやり方は常に見直す
③多過ぎる選択肢は判断を鈍らせることがあると理解する
目次
意思決定スタイルは5つに分けられる
あなたが行った選択は、
あなたの考えによって
導き出されたものではない
実はあなたの選択は、5つの意思決定スタイルに支配されていると言います。まずは、そんな選択のタイプについて知っておきましょう。
何かを選択するのに、自分の性格が影響していると思う方もいるかと思いますが、心理学の研究でそうではないことがわかっています。持って生まれた「意思決定スタイル」に影響を受けて判断を下しているのです。
自分の意思決定スタイルを知ることで自分の傾向を知り、効率的に「選択する力」を伸ばしていくことができる
後悔しない選択をするためには、意思決定スタイルを把握しておくことが重要です。
2014年、アメリカのボーリング・グリーン州立大学の研究チームが「意思決定スタイルは以下の5つに分類される」と発表しました。
①合理的スタイル
選択に対して論理的に分析、比較し、合理的に選択するタイプ。意思決定までに一定の時間がかかりますが、条件が揃っていればブレずに選択することができます。
②直感的スタイル
数字やデータより、自分の感覚を重視するタイプ。「ピンときた!」など感情が大きく動いたときの意思決定は早いのですが、逆に恨み始めると時間がかかります。
③依存的スタイル
他人のアドバイスに耳を傾け、意思決定をしていくタイプ。成功者や経験者の意見を重視し、難しい選択になればなるほど意思決定そのものを人任せにしてしまいます。
④回避的スタイル
最終決定を先延ばしにしようとするタイプ。十分なデータが揃っていても、選択すること自体を避けようとするため意思決定に時間がかかり、優柔不断になりがちです。
⑤自発的スタイル
選択するスピードが早く、決断力があるタイプ。ただし、データを比較するなどの合理的判断よりも、決めることそのものを重視するため、選択後に後悔するケースも。
さて、あなたはそのスタイルに近いでしょうか。どれか一つに当てはまったり、人によっては2つのスタイルを兼ねている人もいるかもしれません。
さらに詳しい特徴には本書に書かれていますので、興味があれば手にとって読んでみてください。
「マキシマイザー」と「サティスファイザー」
意思決定スタイルは先ほど説明したように5つありました。その結果をどう受け止めるかにも、大きく分けて2つのグループが存在します。それが、マキシマイザー(完璧主義)と、サティスファイザー(完了主義)です。
マキシマイザー
いつも最高の結果を求め続けるタイプ。
サティスファイザー
最高でなくとも、ある程度の結果で納得できるタイプ。
心理学者バリー・シュワルツ博士の研究によると、マキシマイザーは選択の結果に満足することがなく、常にストレスを溜める傾向があります。
一方、サティスファイザーは「足るを知る」状態にあるので、人生の満足度が高いことがわかっています。
とはいえ、どちらが良くてどちらが悪いと言うわけではありません。
大切なのは、「自分は〇〇スタイルで、マキシマイザーだから、こういう選択をし、結果をこう受け止める傾向がある」
「私は〇〇スタイルで、サティスファイザーだから、こういう選択をしがちで、結果をこんなふうに受け止めがち」などと知っておくことです。
それが後悔しない選択の第一歩となるのです。
あなたが5つの意思決定スタイルのうち、どのスタイルだとしても、結果に対してはマキシマイザー、サティスファイザーのどちらかの傾向を持っています。そして出た結果をどう受け止めるかも、「後悔する/しない」に大きな影響を与えるのです。
つまり、全部で10パターンのタイプがあるのです。
あなたはどのタイプに当てはまるでしょうか?
人は衝動に抗えない生き物
焦りや衝動に惑わされずに「後悔しない選択」をするための準備をいくつか紹介していきます。
人の心が読むのが得意なメンタリストDaiGoさんでさえも、冷静な判断ができなくなる場合があるのです。それがいつかというと、衝動や誘惑に直面したときだと言います。
まずは私たちの脳の弱さを知っておきましょう。
1つ目の準備は、人間は衝動に抗えない弱い生き物だと心に刻むことです。
いかに優れたメンタリストでも、数多の論文に通じた心理学者でも、恋愛の達人にはなれません。
とくに恋愛に対しては、科学的に正しい選択をすることは不可能です。恋に落ちたときの脳は、麻薬を摂取した時とほぼ同等の反応を示し、また意思決定能力や判断能力は著しく低下します。
ここで伝えたかったのは、私たちの脳の弱さです。日頃、どれだけ合理的で判断力があっても、恋愛や生存に関わる衝動的な欲求を前にすれば、正しい選択をすることができません。
人間が衝動や誘惑に抗って、冷静かつ合理的な判断ができる確率は50%だと言われています。
だからこそ、ダイエットがなかなか成功しなかったり、新しい習慣を身につけることが難しいのです。
誘惑に負けてしまうことも念頭に置き、それを受け入れ、あらかじめ対策を打つようにしましょう。
後悔しない選択をするためには、自分が負けてしまいそうな衝動や誘惑を予測し、シチュエーションごとに対応できるよう自分の中でルールを決めておきましょう。
プランやコストを明確にする
漠然とした思考をしていると、選択が非合理になってしまい、後悔することになってしまいます。それを避けるために、すべきことを明確にイメージすることが大切です。
もう一つ紹介する準備は、プランやコストを具体的にイメージしておくことです。
明確なプランを書き出すこと。
たとえば、DaiGoさんの朝の習慣を取り上げてみます。朝起きてすぐにSITという負荷の高い運動をしていて、それに合わせて数種類のサプリメント、水2リットルとコーヒー1杯を飲むこと。これらを毎朝8時から8時30分の間に行うのが習慣のようですが、それには欠かせず、Googleスケジュールに手順とサプリメントの種類を書き込んでいるようです。
明確なプランとして起きた直後から行うべきことが書かれているので、目にしたら毎日、確実にやるしかありません。
このようにして、DaiGoさんは朝の運動を習慣化したのです。
明確なプランを立てることで、悩むことがなく、脳を無駄に使用せず、自然と求めていく方向に選択を重ねてくれるのです。
さらに自分が取るべき行動を選択するには、コストベネフィットで判断する方法も有効だと言います。
コストベネフィットとは、行動に費やす時間をお金に換算し、その選択が選ぶに足る価値があるかどうかを比べる方法です。
どんな人にも1日の時間は24時間しかありません。ところが、時間は量として把握しにくいため、お金に換算して考えることが有効となるのです。
時間をお金に換算することで、あなたにとっての1分、10分、1時間の価値が見えてきます。このモノサシを当てて、「この選択肢を本当に選ぶべき価値があるのか?」と自問すること。
プラントコストを明確にすることは、あなたの力となり、きっと選択をより良い方向に導いてくれるでしょう。