教職者を目指す人にこそ読んでほしい『パッとしない子』辻村 深月

教職者を目指す人にこそ読んでほしい『パッとしない子』辻村 深月

辻村 深月『パッとしない子』


ミステリーやSFなどのイメージが強い、著者の辻村深月さんですが、今回も短編でがありますが、辻村ワールド全開でおすすめです。

サクッと読めて、考えさせられる辻村 深月さんの『パッとしない子』について紹介します。


ぜひ教師を目指す人に読んで欲しい1冊です。


小学校教師と生徒とのリアルな関係性をスリリングに描いた作品となっています。

生徒にも色々な子がいますよね。優等生、すぐ懐く子、やんちゃな子、問題児、そして、印象の薄い子。

今回は、その中でも印象の薄い子、つまりパッとしない子にフォーカスした内容です。面白おかしく一場面を切り取って素晴らしいとしか言いようがないものです。


その上で非常に考えさせられる内容だったので、今回紹介させていただきます。



 

目次

 

  1. 「パッとしない子」とは?

  2. あらすじ

  3. あるあるでは済まされない問題






 

 

「パッとしない子」とは?


教師からすれば、児童・生徒は優等生、すぐ懐く子、やんちゃな子、問題児、などが間違いなく印象に残ります。

反対に印象にあまり残らない子、これこそがパッとしない子です。

「パッとしない子」とは、それらに当てはまらない印象の薄い子のことを指します。


僕自身もパッとしない子でしたし、だいたいクラスの3分の1くらいは、印象に残らない影の薄い子ではないでしょうか。

パッとしない子だった読者は共感すると思います。しかし、そうではなかった人からすれば、初めて知る感覚かもしれません。


本書はそんな「パッとしない子」をテーマに扱った短編小説です。10分足らずでサクッと読み終えてしまうので、おすすめです。






あらすじ


Amazonの商品紹介では以下のように記載されています。


小学校の図工の教師、松尾美穂はその日を、ちょっと高揚した気分で迎えた。教え子で、人気絶頂の男性アイドルグループのメンバーになった高輪佑(たすく、25歳)がテレビ番組収録のため、母校を訪ねてくるのだ。10数年前、美穂が担任をしたのは、佑の3歳下の弟だが、授業をしたのは事実で、佑ファンの娘にも羨ましがられている。美穂の記憶にある佑は地味で、パッとしない子供だったし、プロはだしと称賛される絵の才能も、片鱗は見いだせなかった。撮影を終え、完璧な笑顔で現れた佑は、意外にも松尾に話したいことがあると切り出し、、、



少しホラーな内容になっています。短編ながら、読み応えがあり、世界観に引き込まれます。


よく考えればわかることだが、よく誰々を小さい頃面倒見ていたとか、コーチだったとかも大概だが、弟の担任をしたというだけで自慢しすぎるのも良くないはずです。

友達関係だって、片方は友達と思っていてももう一方は、知り合い程度にしか思っていないかもしれない。有名人の知り合いがいたって、その関係が対等でなければ、売名行為と捉えても致し方ないでしょう。






あるあるでは済まされない問題


この記事を読んでくれている方の中にも小学生時代、パッとしない子だった方は多いのではないでしょうか?


本書のレビューや口コミを見ると、賛否両論で両者の意見が繰り広げられてて面白いです。


ただ、どちらが悪いとかの話ではありません。

教師を目指す方には、一読して欲しい一冊だと考えます。こういう事例もあるということを頭に入れておくだけでも、救われる心があるはずです。

例えば、HSPということを知っていますか?ADHDもです。これらを知らないで教師をしている人はいないはずです。大学の教育学でただ学んだだけでは意味がりません。きちんと理解してくださいね。

僕は小学生の頃から少しひねくれていたのですが、先生と仲の良い生徒だけで楽しく過ごしている姿を気持ち悪いと思っていました。いわゆる依怙贔屓というものがあったと思います。

もちろん人間ですから、人に対して好き嫌いがあるでしょう。小学生のその時期を道徳という心を育てる大きな時期なのです。


今後、教育という形も大きく変わるのではないかと予想されます。

2020年に大きく教育改革が行われることが決まっていますよね。よく言われていますが、先進国でありながらも日本の教育は遅れています。

日本の教育は教師が悪いことをする子どもを躾ける場所になっているのではないかと思います。海外では、生徒の自主性が何よりも尊重されています。


教師という職業は、大変な職業ですが本書を読んで主人公の先生は全く悪くない、と感じた人は向いていないかもしれません。

なぜかというと、身体や心が弱い子の気持ちがわからないというのは、上に立つ人にとって致命的だからです。

いじめなどもなくならないですよね。もちろん、いじめに対しては学校側の全責任ではないでしょう。

ちなみに僕の小学校では、生徒が教師をいじめるという問題が発生していました。それに対して、教頭先生などが出てきて、子どもたちに説教したのです。これは正しいと思いますか?

問題児だと大人が決めつけることが逆に更生できなくて、悪い方へと過疎いくさせているのではないでしょうか。これが正解という道はいまだにわかりません。


教師というのは、とても大変な職業です。勤務時間も長ければ、給与も高いわけでもないです。だからといっても子どもの成長を信じてあげる存在でいて欲しいと考えます。

 

 

 

Booksカテゴリの最新記事