キャッチコピーの基本、3つのヒントを紹介!
キャッチコピーというと、「コピーライターが書く作るもの」と思っていませんか?確かに、プロの人も存在しますが、このスキルは普通のビジネスパーソンにこそ、一番必要なスキルだと本書では言います。
現在社会ではとくに、「ネーミング」「タイトル」「見出し」「決めゼリフ」など、一瞬で受け手の心に刺さり、気持ちをつかむ「ワンフレーズ」というのが、何よりも重要になってるのです。
今回はそんなキャッチコピーを作る上での基本となる3つのポイントについて紹介します。
この記事は、川上徹也さんの著書『キャッチコピー力の基本 ひと言で気持ちをとらえて、離さない77のテクニック』を参考に内容をまとめています。
目次
自分に関係があると思ってもらう
「自分に関係がある」と思わなければ、人の心は動きません。
これこそが、キャッチコピー力の基本であります。いかに「自分に関係がある」と思ってもらえるように書くことがもっとも大切です。
特定の誰か個人に向けて語りかける意識を常に持つ必要があります。
全員に届けることはどうやっても不可能なので、ある程度ターゲットを絞るようにした方が良さそうです。いまはインターネットがなんでも検索して知りたい情報を得られる時代です。
ですから、自分に関係がないと思った情報は簡単に捨てられ、スルーされてしまいます。
本や雑誌を見るとそのタイトルや見出しから、読者に「自分に関係がある」と思ってもらえないと手にとってもらえません。とくに翻訳書などは、タイトルが原題と大きく変わって訳されていることが多いのです。
これらキャッチコピーひとつで売り上げが大きく違ってくることも珍しくありません。
『仕事の整理術』→『気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ』
『子供を産まない女性が増えている』→『産まないかもしれない私』
これらの例は、ある人にとっては、「あ、これは自分のことだ!」と思うはずです。この感覚こそが非常に必要なのです。
「自分に関係がある」と思ってもらうことは、「人の関心を引かなければならない仕事」のあらゆる場面で必要な大原則です。
本のタイトルや雑誌の見出し、広告のキャッチコピーに限らず、ダイレクトメール(DM)、プレスリリース、メールマガジンなど、不特定多数に発信する際はとくに重要です。今であれば、SNSもまさにそうですね。
とはいえ、これは簡単なことではありません。今回紹介するヒントなどを活用して、「自分に関係がある」と思ってもらえる言葉を考えてきましょう。
強い言葉を使う
言葉にも、強い言葉と弱い言葉が存在します。
強い言葉には、「印象に残る」「心に刺さる」「行動したくなる」などという効果を相手に与えることができます。逆に弱い言葉とは、「ありきたりな」「心が動かない」言葉のことをを指します。
当然、読み手の心をキャッチするには、強い言葉を使うことが効果的です。ただし、置かれた状況や使われる場面によって、言葉の強弱も大きく変化するものなので注意が必要です。
つまり、この単語を使えば必ず強いコピーができる、という「魔法の言葉」は存在しません。
しかし、強い言葉になる可能性を高くする2つのポイントというものがあります。
①抽象的な表現を避け、具体的に書く
②ついつい書いてしまうような 常套句 を避ける
少し具体例を挙げてみましょう。
口どけの食感が新しいんです。→口に入れた瞬間に溶けてなくなっちゃうんです
厳選された新鮮な鶏を炭火でじっくり焼いています→朝引き薩摩鶏を備長炭でじゅわっとジューシーに焼き上げました
より具体的な方が詳細にイメージすることができますよね。ですから、①のように抽象的な表現をできるだけ避け、具体的な言葉を使用するようにしましょう。
さらに、普段から意識している、していないに関わらず、毎日膨大な量のコピーに接しています。いざキャッチコピーを書くときに、知らず知らずに影響を受けていて、ついついそれらしいフレーズを書いてしまうことがあるようです。
書き手側としては、差別化しているコピーでも受けてからすると、典型的なコピーで簡単にスルーされてしまいます。常套句を使わないことがむしろ言葉を強くすることもザラにあるのです。
「抽象的な言葉になっていないか」「それらしい常套句になっていないか」を、チェックする習慣をつけましょう。
相手の心に「何で?」をつくり出す
生きていると日常的に「何で?」という疑問が生まれることがあるかと思います。今までの常識が崩れるとなったり、その断定する理由はなぜなのか?などと、「どうしてだろう?」と疑問を抱くのです。
そして、これらの疑問を解決する答えを知りたいがために、続きや中身を読みたくなる、という習性があるのです。
本のタイトルや、雑誌の見出し、広告のキャッチコピーなどに、この手法はよく利用されています。
一部紹介します。
『千円札は拾うな」
『傷はぜったい消毒するな』
一般的に言われている常識とは、逆のことを主張していますよね。すると、受けてはこれを見て、「何で?」という疑問・感情が浮かび上がるのです。命令形が多いのも、強く印象付けるためでしょう。
つぎに、「そう言えばそうだよな」という疑問を投げかけるものもあります。
『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』
『なぜ、社長のドアは4ドアなのか?』
あらためて指摘されると、「どうしてだろう?」という疑問がわきますよね。
常に相手の心に「何で?」という疑問が、わき起こるような書き方を意識しましょう。