『大人の語彙力が面白いほど身につく本』より、正しい日本語を学ぼう

『大人の語彙力が面白いほど身につく本』より、正しい日本語を学ぼう

できる大人になるための「日本語のセレクトショップ」


今回紹介する書籍は、話題の達人倶楽部さんの『大人の語彙力が面白いほど身につく本』です。


多くの方が勘違い、間違えている言葉を含め、日本語に関する知識が満載。


○×判定をおこなっていますが、その根拠としているのが、日本政府の3つの指針、「常用漢字表」「現代仮名遣い」「送り仮名の付け方」です。


これらは、“正しい日本語”を強制するものはありませんが、官公庁、マスコミ、教育現場などでは、概ねこれらのガイドラインに従っています。


“大人の語彙力”と呼べる力を身につけるには、まずは言葉を正しく使うようにしましょう。

 

 

 

 

目次

 

  1. 意味の取り違えが思わぬ誤解を招く言葉

  2. ライターを一度は泣かせる危険な日本語

  3. 知らずに恥をかいている言い間違い

  4. カタカナ語で表現力がグンとアップする

  5. 誰でも上手に「比喩」を使うことができる

 

 

 

 

 

 

意味の取り違えが思わぬ誤解を招く言葉


多くの方が、誤解していて、間違った意味で理解されている言葉を紹介します。正しい理解へと変換させていきましょう。



破天荒……本来の意味は「誰も成しえなかったことをすること」。それなのに、「調査」では64.2%の人が「豪快で大胆な様子」といった意味だと思っていた言葉。

御の字……本来の意味は「大いにありがたい」。「調査」では51.4%の人が「一応納得できる」という意味だと思っていた言葉。

敷居が高い……本来の意味は「相手に不義理をして、行きにくい」なのに、45.6%の人が「高級すぎたり、上品すぎたりして、入りにくい」という意味だと思っていた言葉。

さわり……本来の意味は「話などの要点」。ところが、59.3%もの人が「話などの最初の部分」だと思っていた言葉。

姑息……本来の意味は「一時しのぎ」だが、69.8%もの人が「ひきょうな」という意味だと思っていた言葉。「姑息な手段」はひきょうな手段ではなく、一時しのぎな手段。

にやける……本来の意味は「なよなよしている」だが、76.5%もの人が「薄笑いを浮かべている」という意味だと思っていた言葉。

 

 

 

ライターを一度は泣かせる危険な日本語


ワープロソフトで文章を作る時代になっても、依然、書き間違いは減りません。むしろ、ワープロを使うことによって新しいタイプの間違いが増えているくらいです。

ここでは、ライターなら一度は間違えてしまう、そんな日本語を紹介します。



△チヂミ→○チジミ
韓国のお好み焼きに似た料理。外来語には「ヂ」「ヅ」を使わないというルール(内閣告示「外来語の表記」)があるので、「チジミ」と書くのが正しいことになる。世間で「チヂミ」という書き方が一般化しているのは、「縮む」という言葉の影響だろう。

×子どもの日→○こどもの日
「国民の祝日に関する法律」の表記にしたがい、「こどもの日」と書くのが正しい。むろん、「子供の日」も×。

×夏目漱石の「坊ちゃん」→○「坊っちゃん」
少年を「ぼっちゃん」と呼ぶときは「坊ちゃん」と書くのが普通。ただし、漱石の作品名は『坊ちゃん』。固有名詞なので、勝手に「っ」を削ってはいけない。また、『吾輩は猫である』は「吾輩」と書く。「我輩」や「吾が輩」と書いてはいけない。

×奄美諸島→○奄美群島
2010年2月、国土地理院の地名表記が「奄美諸島」から「奄美群島」に変えられた。それ以前から、海上保安庁などの「海図」では「群島」が使われていて、そちらに統一されたもの。

×墨田川→○隅田川
川の名は「隅田川」、区名は「墨田区」。「すみだがわ」「すみだく」とすべて打ってから変換キーを押すと、正しく変換されるが、「すみだ・がわ」「すみだ・く」と分けて打つと、混同しやすいので注意。

 

 

 

知らずに恥をかいている言い間違い


日本語には、決まり文句や定型フレーズが多数含まれています。それらの言葉は、言葉の組み合わせを誤ると、たちまち言い間違いになってしまいます。

恥をかいてしまう前に、ここで学んでおきましょう。



×祭日→○祝日
「祭日」は、戦前は国家的な行事として行われていた皇室の祭祀の日。戦後、「国民の祝日」が制定され、制度上の「祭日」はなくなっている。会話では、目くじらを立てるほどのことではないが、文章を書くときには使い分けに注意したい。

×永遠と続く→○延々と続く
長く続くことだが、聞き間違えて覚えると、「永遠と続く」と誤ることに。なお、「永遠」を使うなら「永遠に続く」と助詞を変えなければならない。

×種を植える→○種を蒔く
「種」にふさわしい動詞は「蒔く」。「種まき」といっても「種植え」とはいわないはず。「植える」のは「苗」のほう。

×きめこまやか→○きめこまか
漢字で書くと「きめ細か」。「細やか」は「こまやか」と読むが、「細か」は「こまか」。そもそも「きめこまやか」という言葉はない。

△最大の焦点→○焦点になる
前者は、考えてみれば変な言葉。「焦点」は、レンズを通った光が集まり、像を結ぶ点。「最大」や「最小」と形容されるものではない。注目(光)を集めることを「焦点になる」といううち、「最大の焦点」という大げさな表現が生まれたようだ。口語はともかく、文章では避けたほうがいい。

×自信なさげ→○自信なげ
「自信ない」に接尾語の「げ」がついた形で、「自信なげ」が正しい。他に「頼りなげ」「所在なげ」も「さ」は必要なく、「頼りなさげ」や「所在なさげ」というのは間違い。

×目覚めが悪い→○寝覚めが悪い
「寝覚めが悪い」は、寝起きの気分や体調がすぐれないこと。文化庁の国語調査では、6割近い人が「目覚めが悪い」という誤った形で使っていた言葉。

 

 

 

カタカナ語で表現力がグンとアップする


現在の日本語には、多数のカタカナ語が含まれています。

とにかく使い過ぎると批判されがちなカタカナ語でありますが、使用頻度が高いということは、それくらい文章を魅力的にしたり、新鮮に感じさせる効果があるということでしょう。

最近の言葉もありますので、抑えておきましょう。



ダイバーシティ……「多様性」のことで、性別、人種、年齢、学歴、思想などに関係なく、多用な人材を活用するという、マネジメントにおける考え方。もとは1990年代のアメリカで、マイノリティや女性を差別せず、積極的に採用するという動きから始まった。「ダイバーシティ経営」「ダイバーシティの推進」などと用いる。

ルサンチマン……恨み。とくにニーチェが、弱者の強者に対する憎悪という意味で使ったことで知られる。「庶民のルサンチマンが、革命力の原動力になった」「ルサンチマンの克服こそが重要」など。

ジャイアント・キリング……大番狂わせ。直訳すると「巨人を倒す」という意。2015年秋、ラグビーワールドカップで、日本が南アフリカという“巨人”を破るという大番狂わせを起こしてから、耳にする機会が増えた。

ミニマリスト……最小主義者。不要なものをできる限り排除し、選び抜いたものだけで暮らす人。物を持たないことで、心や時間や空間のゆとりを大事にしたいと考える。似た言葉にミニマリズム(最小限主義)があるが、こちらは音楽や美術、ファッションで使われる言葉で、装飾的な技巧を排除した表現スタイルのこと。

シンギュラリティ……日本語では「技術的特異点」。コンピュータが人間の知能を超える瞬間、あるいは超えることで起きる現象のこと。シンギュラリティ後、コンピュータは加速度的に進化し、人間を引き離していくともいわれる。ただし、実際にシンギュラリティが起きるかどうかは、研究者の中でも議論が分かれている。

ロールモデル……規範・模範となる人。「あの人のようになりたい」と思う、憧れの存在。「我が社には、ロールモデルとなるような女性がいないんです」「私は、課長をロールモデルにして励んできました」などと使う。

 

 

 

誰でも上手に「比喩」を使うことができる


比喩や逆説は、日本語表現の華。鮮やかな比喩などを決めると、一気に魅力的になるものです。

そこで、言葉をどのように組み合わせれば、比喩や逆説表現などを引き出せるのか、その基本技を紹介します。



横綱級の……スポーツは比喩のわかりやすい材料になる。見出し語の「横綱級」は、その分野のトップであることを意味し、「横綱級の国宝」などと使われる。「四番打者」「エース」「チャンピオン」は、その分野の一番に実力者。「論壇のハードパンチャー」や「ミステリ界の女王」といった比喩もわかりやすく成立する。

スマホは21世紀の阿片……“クスリ”関係は比喩の宝庫。麻薬、覚醒剤、阿片、興奮剤、鎮痛剤、カンフル剤、栄養剤、点滴、ドーピングなどが、比喩表現によく用いられてる。見出し語の「阿片」は、常習的になり、心身をダメにするものの代名詞。「宗教は阿片である」というカール・マルクスの言葉に始まり、今も使われている。

砂漠で砂を売るようなもの……見出し語は、愚かな売り方をすると、商品は売れないことを意味するフレーズ。このバリエーションとして、「山奥に自販機を置くようなもの」「コメ作り農家にコメを売るようなもの」など、さまざまに工夫できる。

ガラスのハート……心臓を意味する「ハート」は、さまざまな性格を表すときに用いられる。「ガラスのハート」は臆病で勝負弱い性格、「チキンハート」も同様の意味。一方、「ライオンハート」は勇猛な性格であること。

心臓に剛毛が生えているような性格……「心臓に毛が生えている」は手垢がついた表現なので、「剛毛」という語を使い、新鮮味を出そうとした表現。このように、体関係の慣用句は、少しずらしたり、過剰にすることで新鮮味を生み出せる。たとえば「目からうろこが落ちる」を「目からうろこが何枚も落ちる」とするように。

 

 

 

 

Booksカテゴリの最新記事